大阪工業大学
[地図表示]

第15回人間ネットワーク【12月 大阪】開催報告
平成17年12月3日(土)、大阪工業大学を開催校として第15回の私立大学職員「人間ネットワーク」が開催されました。
今回は「高大連携の現状と課題」テーマとして、大学と高等学校を結ぶ教育のあり方や課題について研修を行いました。開催にあたり、本会の齋藤聡理事長・海老原直人会長より開催の挨拶と幹事校を代表して野村良紀大阪工業大学教務部長先生よりのご挨拶があり、いよいよ大阪における初めての「人間ネットワーク」が始まりました。今回は会員26名、一般9名の計35名の参加者で行われました。
今回はまず始めに「高大連携の現状と課題」をテーマとしたパネルディスカッションを行い、パネラーとして、桜美林大学の志村望教務課長と立命館大学の宮下明大高大連携推進室課長より東西の高大連携のトップランナーたるところからの事例報告並びに意見発表を行いました。
桜美林大学の志村望教務課長は高大連携の歴史的な背景として、1992年12月の中央教育審議会答申の紹介から始まり、審議会答申の課題と問題点が指摘されました。そして“連携”と“接続”と意味に言及し、また接点と接続の違いにもふれながら、桜美林大学における高大連携の実情の紹介と課題について発表されました。そして最後に高大連携が高校と大学における双方向であるべきことや、高大のみに留まらず幼少中高大社連携へと教育の接続が検討されるべきこと、そして人間を育てるとともに、共に育つということ理念のもとに推進されるべきであることを提言されました。
次に立命館大学の宮下明大課長より立命館大学における高大連携の取り組みについて紹介されました。立命館大学において高大連携推進室が設置された背景と経緯についての説明から始まり、高大連携の一般的な事例紹介をふまえ、東京工業大学の「通信衛星」による講義配信、出前授業方式によるより具体的でわかりやすい商業高校との連携が、「高大連携GP」として採択された中央大学商学部の事例、京都大学や大阪大学等による「SS理科」,「SS数学」,「テーマ別課題研究」などの教育課程の研究開発。大学コンソーシアム京都による「学びフォーラム」、「共同教員プログラム」の開発などの現在における特殊事例の紹介がされました。そして立命館大学における高大連携の事例として、まずは高校生を対象とした取り組みとしては①学校・組織を対象とした「オープンセミナー」「教委との連携講座」、②高大連携協定高校を対象とした 「アドバンスト・プログラム(理工・情報理工)」、③個人を対象とした「立命館サマーカレッジ」「立命館懸賞論文大賞」の紹介があり、次に入学予定者を対象とした取り組みとして特別入試での入学者を対象とした①プレエントランス・デーの設定、受講推奨(有料)形式で通信添削(教科別・学部系統別)やWBT(日本語・英語・数学)による②入学前学習講座の設定、③CLA TOEFL講座(有料)を実施していること。高校教員を対象とした取り組みとして、河合塾の協力を得ながら「スキルアップ講座(英語・数学)」(3日間(90分×9コマ)実施(有料))や、科目開発やリメディアル開発といった各種研究会の企画と実施についての紹介がありました。そして高大連携が今後進むべき方向性として、①学部の“入学構造”と“学びの特性”から見た高大連携の有効性の検討、②高校側の“見極めとパートナーシップ”のあり方、③大学の教学資源の有効利用として、教員だけでなく、大学院生も活用や、アーカイブ化による再利用ツールの検討を提言。そして最後に①高大連携は時代の必然的要請であり、「若者の成長モデル」の一区間である。②高大連携を「キャリア形成」の視点で捉えることにより、各大学・高校での取り組みが具体化する。として発表を締めくくられました。
お二人からの発表を受けて、司会より高大連携の問題点や、目指すべくゴールの姿とはいった問いが投げかけられ、お一人ずつ興味深い考えが示されました。(会員の皆様には後日発行予定の、『「高大連携の現状と課題」~パネルディスカッションより~』をお届けする予定です。)
いろいろ参加者からの質問も受けたいところでしたが、時間の関係上多くの質問が受けられずパネルディスカションは終わりましたが、その後のグループ討議へパネラーのお二人が巡回されることで、参加者との意見交換を図ることとしました。
休憩を挟んで参加者を5グループに分けたグループ討議が行われました。各グループにおいて、所属大学における高大連携の現状が報告されると同時に、問題点の提示や、何が問題なのかについての論議が展開されました。
その途中にパネラーのお二人が各グループを巡回され、参加者からの質問や疑問、または発表内容に対する意見なども交換されました。
今回の高大連携というテーマから、どうしてもAO入試にからむ入学前教育との連結イメージが強い感がありますが、お二人のパネラーが異口同音で発言された、高校からの提供(成果物)のあり方や、カリキュラムの共同開発や教育課程の連携( 接続)のあり方などについて、参加者の見解も意義深いものとなった研修内容であった。また、グループ討議の終了後には各グループの代表者より、討議内容の報告や意見発表が行われ、初日の研修会のスケジュールが終了した。
その後は引続き本会の総会が開催され、主な案件として役員改選の結果、海老原直人会長、松尾徹二議長、奈良原祥子副議長の再選が承認されたことや、会則の一部変更により研修・研究事項別の部会の設置が承認されたこと、平成18年度の幹事校ならびに開催地が、6月が新潟国際情報大学(新潟県)、12月が九州産業大学(福岡県)として承認されました。午後6時より会場をパーティールームに移して、懇親会が実施されました。本会の設置の柱のひとつである「会員相互の親睦を深める」という目的に欠かす事のできない催し物ですので、参加者のボルテージもこのあたりから、高まってくるようです。まずは理事長・会長からの挨拶があり、立命館大学の宮下課長の乾杯の発声で宴が始まりました。宴の途中で参加者お一人ずつの自己紹介があり、発足当時からの会員の方やこの度入会された方、また初めてこの会に参加された方など、常連のお顔からフレッシュなお顔まで楽しいひとときが続きます。
今回の開催を前に、本会としては念願のホームページ(HP)が開設されましたが、その開設作業に多大な功績を示したとして、竹岡修氏に感謝状が理事長より授与されました。楽しい宴も、恒例の閉め行事(1本閉め・5本閉め などなど)で無事閉会となりましたが、そこは本会の本領というか、2次会・3次会とまだまだ宴は続き、会員の皆様のパワフルナイトには夢を見る閑もありません・・・・
最後に、今回の幹事校である大阪工業大学、協力校である摂南大学の皆様には、過分なご配慮とお取り計らいを賜りましたおかげで、このように盛会となりましたこと、とりわけ石橋課長、喜多課長、上地係長、中井係長、国分様、森口様、にはご苦労の意と感謝の念でいっぱいです。
次回6月は、新潟国際情報大学で第16回が開催されます。どうぞ皆様万障お繰り合わせのうえ、多数ご参加くださいますようお願いいたします。
平成17年12月 私立大学職員「人間ネットワーク」編集
平成17年12月3日(土)、大阪工業大学を開催校として第15回の私立大学職員「人間ネットワーク」が開催されました。
今回は「高大連携の現状と課題」テーマとして、大学と高等学校を結ぶ教育のあり方や課題について研修を行いました。開催にあたり、本会の齋藤聡理事長・海老原直人会長より開催の挨拶と幹事校を代表して野村良紀大阪工業大学教務部長先生よりのご挨拶があり、いよいよ大阪における初めての「人間ネットワーク」が始まりました。今回は会員26名、一般9名の計35名の参加者で行われました。
今回はまず始めに「高大連携の現状と課題」をテーマとしたパネルディスカッションを行い、パネラーとして、桜美林大学の志村望教務課長と立命館大学の宮下明大高大連携推進室課長より東西の高大連携のトップランナーたるところからの事例報告並びに意見発表を行いました。
桜美林大学の志村望教務課長は高大連携の歴史的な背景として、1992年12月の中央教育審議会答申の紹介から始まり、審議会答申の課題と問題点が指摘されました。そして“連携”と“接続”と意味に言及し、また接点と接続の違いにもふれながら、桜美林大学における高大連携の実情の紹介と課題について発表されました。そして最後に高大連携が高校と大学における双方向であるべきことや、高大のみに留まらず幼少中高大社連携へと教育の接続が検討されるべきこと、そして人間を育てるとともに、共に育つということ理念のもとに推進されるべきであることを提言されました。
次に立命館大学の宮下明大課長より立命館大学における高大連携の取り組みについて紹介されました。立命館大学において高大連携推進室が設置された背景と経緯についての説明から始まり、高大連携の一般的な事例紹介をふまえ、東京工業大学の「通信衛星」による講義配信、出前授業方式によるより具体的でわかりやすい商業高校との連携が、「高大連携GP」として採択された中央大学商学部の事例、京都大学や大阪大学等による「SS理科」,「SS数学」,「テーマ別課題研究」などの教育課程の研究開発。大学コンソーシアム京都による「学びフォーラム」、「共同教員プログラム」の開発などの現在における特殊事例の紹介がされました。そして立命館大学における高大連携の事例として、まずは高校生を対象とした取り組みとしては①学校・組織を対象とした「オープンセミナー」「教委との連携講座」、②高大連携協定高校を対象とした 「アドバンスト・プログラム(理工・情報理工)」、③個人を対象とした「立命館サマーカレッジ」「立命館懸賞論文大賞」の紹介があり、次に入学予定者を対象とした取り組みとして特別入試での入学者を対象とした①プレエントランス・デーの設定、受講推奨(有料)形式で通信添削(教科別・学部系統別)やWBT(日本語・英語・数学)による②入学前学習講座の設定、③CLA TOEFL講座(有料)を実施していること。高校教員を対象とした取り組みとして、河合塾の協力を得ながら「スキルアップ講座(英語・数学)」(3日間(90分×9コマ)実施(有料))や、科目開発やリメディアル開発といった各種研究会の企画と実施についての紹介がありました。そして高大連携が今後進むべき方向性として、①学部の“入学構造”と“学びの特性”から見た高大連携の有効性の検討、②高校側の“見極めとパートナーシップ”のあり方、③大学の教学資源の有効利用として、教員だけでなく、大学院生も活用や、アーカイブ化による再利用ツールの検討を提言。そして最後に①高大連携は時代の必然的要請であり、「若者の成長モデル」の一区間である。②高大連携を「キャリア形成」の視点で捉えることにより、各大学・高校での取り組みが具体化する。として発表を締めくくられました。
お二人からの発表を受けて、司会より高大連携の問題点や、目指すべくゴールの姿とはいった問いが投げかけられ、お一人ずつ興味深い考えが示されました。(会員の皆様には後日発行予定の、『「高大連携の現状と課題」~パネルディスカッションより~』をお届けする予定です。)
いろいろ参加者からの質問も受けたいところでしたが、時間の関係上多くの質問が受けられずパネルディスカションは終わりましたが、その後のグループ討議へパネラーのお二人が巡回されることで、参加者との意見交換を図ることとしました。
休憩を挟んで参加者を5グループに分けたグループ討議が行われました。各グループにおいて、所属大学における高大連携の現状が報告されると同時に、問題点の提示や、何が問題なのかについての論議が展開されました。
その途中にパネラーのお二人が各グループを巡回され、参加者からの質問や疑問、または発表内容に対する意見なども交換されました。
今回の高大連携というテーマから、どうしてもAO入試にからむ入学前教育との連結イメージが強い感がありますが、お二人のパネラーが異口同音で発言された、高校からの提供(成果物)のあり方や、カリキュラムの共同開発や教育課程の連携( 接続)のあり方などについて、参加者の見解も意義深いものとなった研修内容であった。また、グループ討議の終了後には各グループの代表者より、討議内容の報告や意見発表が行われ、初日の研修会のスケジュールが終了した。
その後は引続き本会の総会が開催され、主な案件として役員改選の結果、海老原直人会長、松尾徹二議長、奈良原祥子副議長の再選が承認されたことや、会則の一部変更により研修・研究事項別の部会の設置が承認されたこと、平成18年度の幹事校ならびに開催地が、6月が新潟国際情報大学(新潟県)、12月が九州産業大学(福岡県)として承認されました。午後6時より会場をパーティールームに移して、懇親会が実施されました。本会の設置の柱のひとつである「会員相互の親睦を深める」という目的に欠かす事のできない催し物ですので、参加者のボルテージもこのあたりから、高まってくるようです。まずは理事長・会長からの挨拶があり、立命館大学の宮下課長の乾杯の発声で宴が始まりました。宴の途中で参加者お一人ずつの自己紹介があり、発足当時からの会員の方やこの度入会された方、また初めてこの会に参加された方など、常連のお顔からフレッシュなお顔まで楽しいひとときが続きます。
今回の開催を前に、本会としては念願のホームページ(HP)が開設されましたが、その開設作業に多大な功績を示したとして、竹岡修氏に感謝状が理事長より授与されました。楽しい宴も、恒例の閉め行事(1本閉め・5本閉め などなど)で無事閉会となりましたが、そこは本会の本領というか、2次会・3次会とまだまだ宴は続き、会員の皆様のパワフルナイトには夢を見る閑もありません・・・・
最後に、今回の幹事校である大阪工業大学、協力校である摂南大学の皆様には、過分なご配慮とお取り計らいを賜りましたおかげで、このように盛会となりましたこと、とりわけ石橋課長、喜多課長、上地係長、中井係長、国分様、森口様、にはご苦労の意と感謝の念でいっぱいです。
次回6月は、新潟国際情報大学で第16回が開催されます。どうぞ皆様万障お繰り合わせのうえ、多数ご参加くださいますようお願いいたします。
平成17年12月 私立大学職員「人間ネットワーク」編集
地図 [KML] [地図表示] | |
ホームページURL | http://www.oit.ac.jp/ |
郵便番号 | 535-8585 |
住所 | 大阪府大阪市旭区大宮5丁目16-1 |